贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
私は慌てて倒れているユリシスを抱き起こした。
「魔法って時を戻したりできるの? 私でも使える?」
すっとぼけながら小首を傾げて尋ねると、フレデリックが困った顔をした。
「魔力がない人間でも、生命力を魔力代わりにする事はできる」
「私もやってみたい。やり方を教えて!」
「ダメだ。大切な君の命が削られる方法は教えられない」
私はピクッとしたユリシスをギュッと抱きしめる。きっと、今、回帰前にフレデリックに利用された苦い記憶を思い出し怒りに耐えているのだろう。
「この赤毛の青年の体を治すことができる人はいないの?」
「大魔法使い様なら、可能かと思われます」
私の問い掛けに黒いローブの男が答える。大魔法使いはおそらくバロン帝国にいる。バロン帝国に行けばユリシスを助けられる。
「フレデリック、赤毛の青年を大魔法使い様に合わせて欲しい」
「こんな身元の分からない男をバロン帝国に連れて行く訳にはいかない」
フレデリックの冷ややかな目をしていた。この二年間、彼と沢山の時間を過ごして来たが一度も見たことがない冷たく無慈悲な瞳。今の彼が本当の彼なのだろうか。
「魔法って時を戻したりできるの? 私でも使える?」
すっとぼけながら小首を傾げて尋ねると、フレデリックが困った顔をした。
「魔力がない人間でも、生命力を魔力代わりにする事はできる」
「私もやってみたい。やり方を教えて!」
「ダメだ。大切な君の命が削られる方法は教えられない」
私はピクッとしたユリシスをギュッと抱きしめる。きっと、今、回帰前にフレデリックに利用された苦い記憶を思い出し怒りに耐えているのだろう。
「この赤毛の青年の体を治すことができる人はいないの?」
「大魔法使い様なら、可能かと思われます」
私の問い掛けに黒いローブの男が答える。大魔法使いはおそらくバロン帝国にいる。バロン帝国に行けばユリシスを助けられる。
「フレデリック、赤毛の青年を大魔法使い様に合わせて欲しい」
「こんな身元の分からない男をバロン帝国に連れて行く訳にはいかない」
フレデリックの冷ややかな目をしていた。この二年間、彼と沢山の時間を過ごして来たが一度も見たことがない冷たく無慈悲な瞳。今の彼が本当の彼なのだろうか。