贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
19.予想外の裏切り者
馬車に戻り、弱っているユリシスを横たわらせ私とフレデリックは進行方向を向くように並んで座る。
「ユリシス、どこで魔法の使い方を学んだんだ?」
フレデリックの問いかけに、ユリシスが目を開けてこちらを睨みつける。私はそっと彼の瞼に触れて目を閉じるように促した。演技のできない彼はフレデリックへの反発心が瞳に出てしまっている。ただでさえ、魔法が使えた事で警戒されているのだから、気をつけるべきだ。
「フレデリック、そのような話は後にしましょ。それよりも、貴方は私に何か言いたいことがあったんじゃないの?」
全てのストーリーを描き、駒のように人を動かしてきた眼前の男。彼ががどのような臭い台詞で私を騙そうとするのかが気になった。
「シェリル」
フレデリックは私の頬に手を添えて、目線を合わせてくる。私は少し戸惑ったように斜め下に目線を落としてみせた。目には目を歯には歯を、裏切りには裏切りを。私を盗聴し騙して駒として動かそうとした彼には同程度の報復が必要だ。
「フレデリック、どうしたの? 私と貴方は友人よ。そんな目で見るなんておかしいわ」
「ユリシス、どこで魔法の使い方を学んだんだ?」
フレデリックの問いかけに、ユリシスが目を開けてこちらを睨みつける。私はそっと彼の瞼に触れて目を閉じるように促した。演技のできない彼はフレデリックへの反発心が瞳に出てしまっている。ただでさえ、魔法が使えた事で警戒されているのだから、気をつけるべきだ。
「フレデリック、そのような話は後にしましょ。それよりも、貴方は私に何か言いたいことがあったんじゃないの?」
全てのストーリーを描き、駒のように人を動かしてきた眼前の男。彼ががどのような臭い台詞で私を騙そうとするのかが気になった。
「シェリル」
フレデリックは私の頬に手を添えて、目線を合わせてくる。私は少し戸惑ったように斜め下に目線を落としてみせた。目には目を歯には歯を、裏切りには裏切りを。私を盗聴し騙して駒として動かそうとした彼には同程度の報復が必要だ。
「フレデリック、どうしたの? 私と貴方は友人よ。そんな目で見るなんておかしいわ」