贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

「人が命を削ってまで時を戻したその理由はユリシスが自分で話そうとしない限り、興味本位で聞くべきではないわ」

マールスが何故だかケラケラと笑い出す。
「シェリル嬢は恐れ知らずだな。そして、その通り。ユリシスの命はもってあと半年だ」

「マールス様、どうして？」
ショックのあまり声が掠れる。腐りが消えても寿命は伸びないと言うことだ。

「禁忌とはそう甘いものではないと言う事だよ。ユリシスも分かってるだろ」
ユリシスはマールス様の言葉に静かに頷いた。
私はユリシスの手をぎゅっと握りしめ、彼の太陽のような瞳を見つめ語りかける。
「ユリシス、あと、半年、何かやりたい事はある？　会いたい人とか、やり残したい事とか」
みんなの為に命を削った彼には自分の為に生きて欲しい。
「⋯⋯別に。ただ、見届ける時間は残ってなさそうだな」
彼の言葉に胸が詰まる。彼は私に希望を託した。半年では時間が足りない。

「そうだ！　私の弟に会ってくれない。レナルドには希望が詰まってるのよ。勇敢で優しくて素敵な子なの」
「レナルド⋯⋯くっ」