贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
「フレデリック・バロンです。麗しのシェリル・ヘッドリー侯爵令嬢」
キザ過ぎると責めたくなるくらい彼は優雅に私の前に跪く。
手の甲にそっと口付けし私の目を射るように見つめてきた。
「帝国の陽光フレデリック・バロン皇太子殿下にシェリル・ヘッドリーがお目にかかります」
跪かれてしまったので、私も同じように膝をついた。そんな私を見て彼がクスクスと笑い、手を取り私の体を引き上げ自分に引き寄せる。
「このような偶然の出会いに格式張らないで結構ですよ。お互い自然体で接しましょう」
「それでは、遠慮なくお言葉に甘えさせて頂きます。早速ですが私の話を聞いてください」
自分でも相手が引くぐらい食い気味だった自覚はある。でも、今は藁をも掴む思いだ。贅沢悪女と断罪され絶望の死を遂げた私。刺繍、礼節、妃教育には全力を注いできたけれど、目の前の悲惨な状況をどうして良いか分からない。
フレデリック・バロンはよく知らないけれど兄を押し退けて立太子した優秀な方だ。
彼からご指導ご鞭撻を受けてアベラルド王国を豊かにできないかと私は考えた。
キザ過ぎると責めたくなるくらい彼は優雅に私の前に跪く。
手の甲にそっと口付けし私の目を射るように見つめてきた。
「帝国の陽光フレデリック・バロン皇太子殿下にシェリル・ヘッドリーがお目にかかります」
跪かれてしまったので、私も同じように膝をついた。そんな私を見て彼がクスクスと笑い、手を取り私の体を引き上げ自分に引き寄せる。
「このような偶然の出会いに格式張らないで結構ですよ。お互い自然体で接しましょう」
「それでは、遠慮なくお言葉に甘えさせて頂きます。早速ですが私の話を聞いてください」
自分でも相手が引くぐらい食い気味だった自覚はある。でも、今は藁をも掴む思いだ。贅沢悪女と断罪され絶望の死を遂げた私。刺繍、礼節、妃教育には全力を注いできたけれど、目の前の悲惨な状況をどうして良いか分からない。
フレデリック・バロンはよく知らないけれど兄を押し退けて立太子した優秀な方だ。
彼からご指導ご鞭撻を受けてアベラルド王国を豊かにできないかと私は考えた。