贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

9.助けてフレデリック

オスカーと私の結婚式。彼と生き残る道筋を模索し努力してきた私に突きつけられたのは残酷な事実だった。

私が愛し尽くして来た男は、私が精神と体力を削ぎながら動き回っている間に他の女を抱いていた。それだけでも怒りで頭がおかしくなりそうなのに、その浮気を私のせいにしている。

もう認めるしかない、私の愛した男は回帰前に断頭台で死んだのだ。
今、目の前でロイヤルブルーのガウン姿で私に手を広げている男は、尽くす価値もないゴミ。

『もう、結構ですわ。離婚してください。オスカー・アベラルド』

私の言葉にオスカーが体を振るわせ真っ青になる。
八年も婚約していた私と別れたら体裁が悪いからだろう。貧乏王国の中でも豊かなヘッドリー家の支援を受けられなくなるのが痛手だとでも考えているのかもしれない。

呆然とするオスカーの腕を力の限り強く握り、重い扉を開き外へ追い出す。
扉の前で護衛していた騎士に笑顔で伝えてやった。


「初夜の儀は致しません。私とオスカー王太子殿下は離婚します」

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