贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

13.恋のライバル(オスカー視点)

「オスカーに唯一触れて貰える女の子の権利が欲しい!」

意を決したように告げられたシェリルの言葉に息を呑む。

「シェリル、急にどうしたの?」
「王族の男性は夜伽の座学だけではなく、実技があるって聞いたの」

シェリルのルビー色の瞳が僕だけを縋るように見つめてくる。

「夜伽の実技なんて、大体どこの国でもあるカリキュラムだよ。跡継ぎを作るのは公務だから」

何気なく言った僕の言葉にシェリルは傷ついた顔をする。泣くのを我慢しているような表情に胸が締め付けられた。

「⋯⋯公務でも他の女にオスカーが触れるのは嫌。こんな我儘を言う私は王子妃に相応しくないよね」
震える唇で告げてくる彼女の言葉に、僕はこの上なく欲情をし如何わしい気持ちを隠した。

「実技を飛ばして座学だけだと、いざという時にシェリルに痛い思いをさせてしまうかもしれない」

少しドキッとさせようと行為を想像させるような物言いをする。しかし、彼女は予想外に冷めたような視線を向けてきた。

「痛い? 構わないわ。場所を間違えても私は気にしない。そんなものは愛する二人で乗り越えれば良い。愛が子供を作るのよ」

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