贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
14.不安と企みの足音(オスカー視点)
「フレデリック皇太子のお相手予想ランキング一位がシェリル?」
「オスカー王太子殿下、バロン帝国での新聞は我が国とは違いゴシップ的なものでして、内容の信頼性ではなく娯楽的要素が強いかと思われます」
補佐官が苦悶の表情で取り繕っているが、これ程に舐めた話があるだろうか。
抗議したところで公的な出版物ではなく、娯楽だとかわされてしまうのは目に見えていた。
公的にもシェリルは僕の婚約者だ。新聞にはシェリルとフレデリックが仲睦まじく田植えをしている絵が描かれている。
兄たちを蹴落として立太子したフレデリックは冷酷皇太子と呼ばれている。貧しい隣国でのボランティア活動は彼のイメージアップに繋がるだろう。それに、シェリルが利用されているのが我慢ならない。
最悪な気分の時に、僕は最低最悪な女と引き合わされた。モヤモヤした気持ちで自室で眠れぬ夜を過ごしていた時だった。寝室をノックする音と共に見知らぬ女性が現れる。空色の髪にアクアマリンの瞳をした女には見覚えがなかった。白いシンプルな飾りのないドレスを着ているこの女が王宮の奥の僕の部屋まで案内されたのはどういう要件だろうか。
「オスカー王太子殿下、バロン帝国での新聞は我が国とは違いゴシップ的なものでして、内容の信頼性ではなく娯楽的要素が強いかと思われます」
補佐官が苦悶の表情で取り繕っているが、これ程に舐めた話があるだろうか。
抗議したところで公的な出版物ではなく、娯楽だとかわされてしまうのは目に見えていた。
公的にもシェリルは僕の婚約者だ。新聞にはシェリルとフレデリックが仲睦まじく田植えをしている絵が描かれている。
兄たちを蹴落として立太子したフレデリックは冷酷皇太子と呼ばれている。貧しい隣国でのボランティア活動は彼のイメージアップに繋がるだろう。それに、シェリルが利用されているのが我慢ならない。
最悪な気分の時に、僕は最低最悪な女と引き合わされた。モヤモヤした気持ちで自室で眠れぬ夜を過ごしていた時だった。寝室をノックする音と共に見知らぬ女性が現れる。空色の髪にアクアマリンの瞳をした女には見覚えがなかった。白いシンプルな飾りのないドレスを着ているこの女が王宮の奥の僕の部屋まで案内されたのはどういう要件だろうか。