義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
碧斗との夜の営みは、土曜日だけと決まっていた。

けれど、欲望は曜日を選ばない。

平日だって、私は彼を求めてしまう。

──けれど、まさか自分から「抱いて」と言うことなどできなかった。

そんな夜は、そっとベッドを抜け出す。

眠る碧斗を起こさないように足音を忍ばせ、リビングへ向かった。

電気の消えた誰もいない部屋は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っている。

ソファに腰を下ろし、スカートの裾を持ち上げる。

ためらいながらも足を開き、下着の中に自分の指を忍ばせた。

「んんっ……」

吐息が漏れる。

濡れた場所を探り当て、指先でなぞるたびに、痺れるような快感が背筋を走った。

求めているのは、夫の熱。けれど今ここにあるのは、自分の手だけ。

それでも身体は正直で、擦るほどに熱が広がっていく。
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