義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
「それは寂しいね。」

「……うん。私ね。」

こんなことを言ったら亜美は呆れるだろうか。

ためらいながらも、心に押し込めていた言葉を口にする。

「夫が……理想の人なの。」

「え?」

亜美はきょとんと目を丸くした。

「だから……もっと愛して欲しいっていうか。求めて欲しくて。」

頬を染めて言いながら、ちらりと彼女の表情を窺う。

すると亜美は、ふっと肩を揺らして笑い出した。

「ククク……あの男性に興味なかった咲菜が、そんなこと言うなんて。」

「理想の人がいなかっただけよ。」

すぐに言い返した。

そう──今までの私は、恋愛に興味を持てなかった。

けれど碧斗に出会ってしまった。

冷たくて、美しくて、中性的で、私の理想をそのまま形にしたような人に。

だからこそ、もっと求められたい。もっと愛されたい。
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