義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
亜美と別れたあと、私は一人で駅へ向かって歩き出した。

けれど胸の奥にさっきの会話が残っていて、なんだか心がざわざわする。

気づけば足は裏路地に入っていた。

そこに、こぢんまりとした下着専門店があった。

ショーウィンドウには白いレースのランジェリーが飾られていて、昼間なのに妙に艶っぽく見える。

──どうしよう。

立ち止まって迷った末、思い切ってドアノブを握った。

カラン、と鈴の音が鳴る。

店内には、色とりどりの下着が並んでいた。

大胆なデザインのものも多く、清楚な下着しか持っていない私には目のやり場に困るほどだった。

「いらっしゃいませ。」

明るい声で迎えてくれる店員さんに、思わず背筋を伸ばす。

「あ、あの……黒のレースの下着とか、ありますか?」

「ございますよ。こちらへどうぞ。」

案内された先には、艶やかな黒のレースが目を惹くコーナーがあった。

胸の奥がドキドキと騒ぎ出す。

──これを身につけたら、本当に碧斗は私を求めてくれるのだろうか。
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