義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
「んん……」

唇が重なるたびに、息が漏れる。いつもよりも深く、情熱的なキス。

碧斗の舌が絡みついてきて、私の中の理性をゆっくりと溶かしていく。

そのときだった。

不意に碧斗の指が胸に触れた。指先が、そっとレース越しに撫でる。

ゾクリと背中が震えた。

(……欲情してくれてる?)

そう思った瞬間、碧斗の声が低く響いた。

「……あれ? いつもの下着じゃないな。」

「そ、そうかな。」

声が裏返る。心臓がバクバク鳴って、息が苦しい。

触っただけで分かるなんて、碧斗、そんなに指先が敏感なの?

ごまかそうとしたのに、彼の目が真剣になっていた。

「咲菜、これ……」

そう言うと、碧斗の指が背中へとまわり、ワンピースのファスナーを静かに下ろしていく。

「きゃっ!」

肩口から滑り落ちた布。露わになったのは──黒の、スケスケのランジェリー。

蛍光灯の光を透かして、繊細なレースが肌の上に浮かぶ。

碧斗の息が止まる音が聞こえた。

そして、ゆっくりと低い声が落ちる。
< 38 / 55 >

この作品をシェア

pagetop