義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
「黒の……透けてる下着……?」

碧斗の吐息が、首筋をかすめた。

低く抑えた声の熱が、肌の奥まで届く。

彼の視線が、私の体をなぞる。

ワンピースの肩口を指先でつまむと、布がするりと滑り落ちた。

空気が触れただけで、全身が震える。

光に透ける黒のレース――隠すほどに、余計に際立ってしまう。

「……咲菜。」

碧斗の声が、かすれる。

「こんなの着て、俺の前に来るなんて。」

指先がそっと肩をなぞり、背中に回る。

ほんのわずかな距離なのに、息が詰まるほど近い。

「……エロいよ、咲菜。」

その一言に、全身の力が抜けていく。

次の瞬間、彼の腕が私を引き寄せた。

唇が触れたとたん、世界の輪郭が溶けていく。

理性のすべてが、碧斗という男の熱に吸い込まれていった。
< 39 / 55 >

この作品をシェア

pagetop