義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
「咲菜……いく……!」

 耳元に落ちる碧斗の声は、かすれて切なかった。

「きて……」

私は彼の首に腕を回し、全身で彼を受け止める。

次の瞬間、碧斗の体が震えた。

彼の熱が私の中に流れ込み、体の奥まで満たしていく。

世界が一瞬静まり返り、残ったのは互いの鼓動だけだった。

「あ……」

広がる温度に、体がゆるむ。

碧斗の腕が私を抱き寄せ、背中を撫でる。

「大丈夫? こんなに激しくして……」

「うん……嬉しかった。」

碧斗の胸に頬を寄せると、彼の鼓動が優しく伝わってくる。

この人が私を求めてくれる――それだけで、心の奥まで満たされていく。
< 42 / 55 >

この作品をシェア

pagetop