義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
「なんで、そんなこと聞くの?」

碧斗はネクタイを外しながら、眉をひそめて私を見た。

「ううん。何でもないの。」

そう言いながら、私は笑顔を作って寝室に向かった。

布団の上に腰を下ろすと、胸の奥が締めつけられる。

――子どもができているかもしれない。

そのことを言ったら、碧斗はどんな顔をするだろう。

考えるだけで怖くなり、視線を落とした。

その時、静かな足音が近づいてきた。

「咲菜。」

振り向くと、碧斗が寝室のドアに立っていた。

躊躇うことなくこちらに歩み寄り、隣に座る。

「なんか、悩みでもあるの?」

低い声が優しく響く。

「悩みがあるなら相談して欲しい。俺、咲菜の夫だよ。」

その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。

我慢していたものが一気に溢れ、頬を伝った。

涙の理由を問われる前に、碧斗の肩に顔を埋めた。
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