義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない
季節がひとつ巡り、私のお腹は少しずつふくらんでいった。

朝になると碧斗は必ず私のもとへ寄り、「おはよう、咲菜。今日も元気そうだな。」と優しく微笑む。

以前のような冷たさはもうどこにもない。

代わりに、私の一挙一動に寄り添うような眼差しがある。

「ねえ、赤ちゃん、今動いたよ。」

碧斗は嬉しそうに手を当て、驚いたように笑った。

「本当だ……。小さいのに、ちゃんと生きてるんだな。」

その声が震えていて、私の胸も熱くなった。

夜、ベッドに入ると、碧斗は私を抱き寄せて囁く。

「咲菜、俺……あの頃みたいに抑えられないよ。おまえと、この子がいるだけで、幸せすぎて怖い。」

私は微笑んで彼の胸に顔を埋めた。

「大丈夫。もう、壊れたっていいのよ。あなたの愛なら。」

窓の外では春の風がそよぎ、新しい命と愛が、ゆっくりとひとつに溶けていく。

それは、確かに“家族”としての始まりだった。


ー End -

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