見えない君は大切な人
「新しい学校。新しい友達。新しい自分。」
でも、どこかで自分は変わらないままだとも思っていた。
食卓に着くと、いつもの朝食が用意されていた。
焼きたてのトーストの香ばしい匂い、目玉焼きのぷるんとした輝き、苦味のないコーヒー。
すべてが知っているはずなのに、どれもどこか遠いものに感じられた。
母が微笑んで言う。
「緊張してるんでしょ?大丈夫、みんな最初はそうよ」
その言葉には励ましもあるけれど、どこか不安が隠れていた。
そんなの分かっていたけど、無理に笑顔を返す。
「大丈夫だよ」
口に出したのは、嘘だった。
本当は、心の中がざわざわして、押しつぶされそうで、怖くてたまらなかったーーー