見えない君は大切な人

聞いた記憶と忘れた記憶

「あのさ、凪ちゃん」


「ん?どしたー?」


月曜日。少しずつ慣れてきた街並みとクラスメイト。そして見えない彼の存在。


「聞きたいことが、あって」


「聞きたいこと?」


こくりとうなずく。


「凪ちゃんは、昔からここに住んでるの?」


「生まれも育ちもここ!大体の人は前からこの辺に住んでる人だよ」


「昔の私のこと、教えてほしいんだ。凪ちゃんなら、なにか知ってるんじゃないかなって思って」


記憶がないとは言えなかった。隠したままで居たかった。


「はるちゃん……記憶のこと、知りたいの?」


記憶。その単語が異様に重く響いた。


やっぱり、凪ちゃんは私のことを私より知っているのかもしれない。
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