見えない君は大切な人
……やっぱり、いるんだ。
そう考えずにはいられなかった。
***
空き教室に着き、空いている席に向かい合って座る。
凪ちゃんが息を吸う音がした。
「昔のはるちゃんはね。今より明るくて、無邪気で、そして何より優しくて。うらやましいくらいにキラキラしてた。私と、はるちゃんと蒼真は幼馴染だったんたよ。いっつもいっしょにいた。はるちゃんはね。私達のお姉ちゃんみたいで。いつも手を引いてくれてたの。前に立って歩いてくれてた。すっごく頼りだった」
凪ちゃんの口から紡がれるのは、私の知らない、私の話だった。
覚えてるような、忘れてしまっているような。
「でもあの日、それが崩れてしまった。終わるなんて思いもしなかったの……」
曖昧に揺れる記憶の境界線。