私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
話している様子を見るにあまりご家族とは仲がいいとは言えないのだろうか。


そんな家のパーティー、しかも誕生日当日なら仲のいい人間と少なからず居たいという気持ちは分からんでもないな。


皆は快く了承する。


「ありがとう。よければましろにも参加してもらえたら助かるんだけど、どうだ・・・?」


「私?」


「私と朔夜、龍二は家の跡取りですからね。ここ数年で大人もこういう機会に関係を作ろうと近づいて来るんです」


「そうなると俺達と引き剥がされちゃってねー。話しかけられたりした時の対応とか、マナーとか、曖昧な俺達が会場に残っちゃうんだよね・・・」


「いい連中ばかりじゃないからな。そうやって足元を見てくる人間の所に残して置きたくないんだ」


「ましろはそういったマナーも問題ないだろうし、もしもの時皆の傍に居てあげてほしいんだ」


なるほど、事情は理解した。


こういったパーティーなどに参加するのは久しいが社交界のマナーは体に染み付いているだろう。当たり障りなく過ごす分には問題ないはず。


「いいわよ」


「本当か!?ありがとうましろ!君がいてくれるとより心強いよ」


珍しく子供のように喜ぶ谷垣の顔も見れた事だしな。
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