私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ








午後の作業も終礼も終え、あとは帰るだけ。


私は手についたペンキを落としたかったのもあってトイレに入っていた。





装飾の方は結構形になってきたな・・・。


早くテーマの方が決まれば良いんだけど。


そういえば依頼も溜まってるな・・・。これから文化祭の準備で残る事も増えるだろうし片付けられるうちに消化しとかないと。


例の裏切り者の件だって思うよりも証拠が集まっていないわけだし─────、


「っ」


扉に手を伸ばすタイミングで頭に痛みが走る。


・・・そういえばここ最近はいつもより寝れていなかったな。


「はぁ、」


痛む箇所を抑えながら今度こそはと鍵を開ける。





バシャッ、





「・・・は?」


ぴちゃり、ぴちゃり、


前髪から滴り落ちるものを確認すると同時に扉の先から数人の笑い声が聞こえる。


正直気乗りはしないものの扉を開ければ4人の女子生徒があざ笑うようにして立っていた。そのうちの1人はバケツを手にしていて、やはり意図的に水を掛けられたのだなと理解する。


「はは!傑作なんだけどっ!」


「いい気味~!」


高らかに笑う声とそんな言葉が聞こえるが私は濡れた前髪越しに女共の背にある鏡を見ていた。


そこには濡れたことによっていつもの色を失ったリボンがあって。
< 141 / 176 >

この作品をシェア

pagetop