私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「~っ!?」


「ちょ、ちょっと!」


気付けば主犯格と思われるバケツを手にしていた女の首を押さえつけ壁に叩きつけていた。


どうせこいつらも私が気に入らないという理由でこんなことをしでかしたんだろうが手段が悪かった。


女はもがこうと必死に首を掴む手に爪を立てて抵抗する。私の手はそのせいで赤くなっていたが知ったこっちゃない。


このリボン、この赤だけは─────。





「ましろーん?なんか騒がしいけど大丈夫?」


「ご主人様?」


聞き覚えのある声に空気が吸えず顔を青くさせる女の首から手を放す。


そうだ、ここは東だ。


あの場所では、ないんだ。しっかりしろ。


慌てて出ていく女共を横目に私はそんなことを考えていた。


・・・着替え、あるかな。


どうすることもできないためこの格好のまま女子トイレを後にする。


「どうしたのそれ!?」


「中々戻ってこないから迎えにきたこいつと来たんだけど。・・・今出て行ったやつらにやられたの?」


案の定今にも追いかけて噛み殺そうとする皐月をなんとか引き留める。


「いいから。それよりも着替えたい」


いいや、それ以上に早くリボンを・・・。


それが伝わったのか皐月は黙って頷く。
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