私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
何か余計な事を考えてはないだろうか。


「・・・まさかこうやり返されるとはな」


ベリッ、幕越しに拍手を聞きながらこの場に似つかわしくない音のする方向────皇の方へと目を向ける。





「あら、私やられっぱなしは性にあわないのよ」


花束に隠した"ガムテープ"のロールをクルクルと回しながら笑ってみせる。


あの驚いた顔、いいもんを見れたなぁ。


他クラスの人間を振り回し過ぎた感も否めないのでそこだけが反省点だが元を辿ればこいつが台本に無いことをし始めるからだ。


「・・・まだベタつく」


ガムテープを貼っていた箇所に指を添える皇。


何故か視線を追うように唇を見てしまった事を後悔した。





「先行ってるから」


〜っ、ガムテープ越しだとは言え私はなんて事をッ!


時間差で来てしまった羞恥心に悶えそうになるも平常を装いながらこの場を去る。


そのせいであの行動の理由を聞き逃したが致し方ない。


ここで恥ずかしがってはこいつに負けた気がするからな。


今回は引き分けということで、そう自分に言い聞かせていた私は知らない。








後日月一でしか発行されない校内新聞が号外と称し、どちらのキスシーンも写真付きで大々的に取り上げる事を。
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