私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
それは忘れもしない憎き相手の声。


「キョウ・・・」


「久しぶり。報告で聞いてたけど随分と面白いことしてんね」


物音一つ立てずに現れたコイツは赤黒い髪を靡かせ庇護欲を刺激される中性的な顔を覗かせる。


目の前の一見無害そうなコイツこそ、人の弱味に漬け込んで手のひらで転がす事を得意とする西の副トップ。


西の大罪人の一人、嫉妬を担当する早川 響だ。


「キョウ様・・・!」


「あっさり証拠まで残しちゃって。ほんと使えないね」


「で、ですが!約束通り私を!」


「西の姫にってやつ?─────いや、無理でしょ。お前如きが」


先程までとは打って変わり冷酷なその態度に鈴原は狼狽える。





鈴原 萌、17歳。


西の人間である父を持つも幼少期に両親は離婚し母親について行く。


しかし中学に入ったあたりから父親の元へ訪れるようになり西へ出入りする事が増える。


・・・とまぁ、鈴原が西の人間である事は掴めていたが何故キョウの元にいるかは分からずにいたのだがそういう事か。


「な、んで。世界は私を中心に回らないといけないのに、姫という場所は私の為にあるはずなのにッ。東でも西でも、なんでッ!!」
< 228 / 236 >

この作品をシェア

pagetop