私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
私や優里に対して何か変な感情を抱いているなとは思っていたが、まさか姫というポジションに執着していたとは。


今までの態度やその黒髪も、トップ達に気に入られようとしていたからなんだと結論付ければ納得だ。


漫画や携帯小説のような展開がまってるとでも思っていたのだろうか?生きている人間がそう簡単に引っかかるとは思えないことなんざ、少し考えれば分かるだろうに。


(ほんと、姫なんて何がいいのやら)


自分は被害者だと叫び続ける鈴原は正に化けの皮が剥がれたという言葉が相応しいだろう。


悲鳴に近い声にうんざりしその首元へ手刀を落とせば数秒もしないうちに膝から崩れる。





「西の姫がここ数年姿を現してない事をいい事に姫になりたいとか言い始めてさ、参った参ったー。やっぱ女って怖いね」


「思ってもないくせに」


長い前髪から眼帯を覗かせ考えが読めない表情で笑うこの男。


何を考えているのか分からないところは相変わらずだな。


ひとまず鈴原を回収する素振りを一切見せない様子からして用済みなのは確定か。


目の前の男を今すぐにでも殴り殺したい衝動に駆られるも、足元に転がる人物を皆の元へ届けるのが優先だ。
< 229 / 236 >

この作品をシェア

pagetop