私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「で、お前はどうしてくれんの?」


「話がしたいんでしょ。・・・"無抵抗"でいるわよ」


「おねーさ、ん・・・?」


「いいね。だけどお前が黙って受け入れるって保証は?」


にんまりと笑ったキョウは唯一の武器であろうナイフをこちらに転がす。


私が嘘なんてつかない事は知ってる癖に・・・。





片膝をついて投げられたナイフを拾い上げる。


保証、ね・・・。


私は地面へ座り込みナイフを持つ手とは別の手を地面に置く。


「おねーさん?」
「ましろさん?」


奇妙な行動を取る私に困惑する声も聞こえるがそんな事を気にせず一発で決まればいいな、なんて呑気な事を考える。


大丈夫、痛いのは一瞬だ。


覚悟を決めて私は、


力一杯、


ナイフを、


自分の片手へと、








────────────振り下ろした。


何か硬いもの同士がぶつかり合う音と共に動きが鈍くなる右手。


試しに軽く動かしてみるが"ナイフが突き刺さったまま"微動だにしない。


「ははっ!ほんと無様だよお前!」


頭上から憎たらしい声がしたかと思えば更に右手へ痛みが走る。
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