私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「今回は大丈夫。・・・あの人ももう来るから」


「あの人って・・・」


あの人というワードが示す人物に心当たりがあるのか先程までの抵抗は嘘かのように皐月くんは動きを止める。


その人が来たらこの状況は落ち着くの?


ましろちゃんは止まるの?





「・・・それで殺す気か?俺とお前の仲だ。一撃だけで、なんて寂しいことはしないでくれよ」


「ああ、そんな生ぬるいことはしないさ」


転がるナイフの音に、はっと意識を引き戻される。


ああ、そうだ。今はこの二人から目を離すな。


武器を取り上げる目的だったようでナイフはもう手元にない。ましろちゃんは何をするつもりなの・・・?


「この状況見覚えは無いか?」


見下ろすようにして肩を踏みつける。


「うッ。・・・あ、ああ。あの時とまるで一緒だな?覚えてくれていて嬉しいよ」


強制的に仰向けにさせられたキョウさんは抵抗もせずに苦笑する。


ただ、どうしてだかこっちの方が人間味があるように感じてしまう。


キョウさんの言葉にましろちゃんは初めて眉を顰める。


それはもう、心底不快だと言わんばかりに。


「・・・忘れる訳ねーだろうがっ。あの日の事を一秒たりとも忘れることはなかったッ!」


「っ」


感情をむき出しにするましろちゃんは初めて見る。
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