私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
一秒たりとも忘れることはなかった・・・。


それはましろちゃんが口にすることによってこの場に居る誰よりも重たい言葉になる。





『超記憶症候群と書いた方が分かりやすいわね』


『症状としては、読んだ本を全て記憶している。曜日さえ分かればその日の出来事が芋づる式に思い出せる、などですね』


『そう。人によって異なるけど、私の場合はどの物事も一度頭に入りさえすれば忘れないの』


『だが、忘れたい記憶も忘れられない』


話を聞いた後、ましろちゃんについてもっと知りたくてハイパーサイメシアに関する記事を読んだ。


映像として残るだけじゃない。匂いや感触まで結びついて思い出すケースが多いってあった。


特に感情の強かった記憶はかなり鮮烈らしくて、「思い出す」というより《《再体験に近い》》って表現されることもある、って。


あたしはあの日の発言について今更ながら悔やんだ。








あぁ、


『嫌な記憶を消せないのは辛いと思う、それなら辛い記憶以上に楽しい記憶をいっぱい作れたらいいね』
「───────俺があいつをこの手で殺した瞬間をか」








ましろちゃん。


分かった気になっていたあたしの言葉を、貴女はどんな感情で受け取っていたの?
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