私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
ぽろぽろと、


大粒の涙が頬を伝って落ちた。





「ぁ、」





辛い。


辛いよ。


見てるこっちが辛い。


ましろちゃんは気付いてる?


貴女が感情をぶつけるとき、


声を荒げる時、


今にも泣きだしそうな顔をしてる。


ずっとその声と瞳は揺れてる。


それでも貴女は泣かないんでしょ?


泣けないんでしょう?








「行かなきゃ」








さっきまでうじうじしていた時間は何だったんだろう。


あたしの足は驚くほどに素直に立ち上がった。


「優里さんっ」


「お願い昴くん。あたし行かなきゃ」


「しかし、」


「行こう」


「龍二!貴方までっ」


「俺はもう、後悔したくないんだ。それに優里ちゃんを守れとは言われたが来るなとは言われてないだろ?」


龍二くん・・・。


「~ッ、ああもう!貴方達二人がこうならどうすることもできないじゃないですか」


昴くん・・・。


ありがとう、わがまま言ってごめんね。


「皐月はどうするんだ?」


「見ての通り拘束されてるから行ってきてよ。周り警戒しとくからさ。そいつら潰すぐらいなら兄さんも許してくれるでしょ」


「ん、好きにして」


「ほーら、早く行って。・・・ご主人様のこと、任せたから」


皐月くんの言葉に頷いてあたし達は皆の元へ向かう。





あんな顔をさせたまま、一人にしちゃ駄目だ。


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