私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
覚悟を決めた意思とは裏腹に重たい足取り。


それでも前に進まなきゃ。


ましろちゃんの傍に、行かなきゃ。


じっとましろちゃんを見ていたキョウさんはこちらに視線を向ける。


「何も知らないあんたがどうにかできるとも思えないけど」


ただ冷たく、それだけを言葉にする。





「・・・わかってます。これはあたしのエゴでしかないことも」


そう。


エゴでしかないんだ。


嫌というほどに実感してるからこそ後悔することだけはしたくないの。


そんな、あたしの見栄を張ったエゴ。


あたしの言葉に納得したのかなんて分からないけれど、興味なんてなかったみたいで視線は外された。


「離せ離せっ!邪魔を、するなッッ!」


「こんの馬鹿力がっ」


「ましろちゃん・・・」


ましろちゃんの傍に腰を下ろしてそっと名前を呼ぶ。




「・・・ましろちゃん」


「・・・ましろちゃん」


「ましろちゃんっ、」


どれだけ呼んでも反応はない。


それこそあたし自身目の前にいるましろちゃんが遠くに見えて仕方ない。


昨日見た劇のように、演者と観客。そんな距離感のよう。


「お願いましろちゃんっ」


あたしの声が届いてなんて望まない。


あたしの声で元に戻って、なんて漫画の主人公みたいなことは言わない。
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