私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
だからどうか、





「少しでいいからあたしを、あたし達を見てよッ!?」





勢いのままに今にも折れそうなほどに細い腕を掴んで強引に視線を合わせる。


ああ、やっぱり、


こんなに目の前にいるのに貴女の瞳には一切映ることは許されない。


それがまたあたしを惨めにさせるの。


「おねが、い。・・・あたし達は、ここに居るんだよっ!」


ぽろぽろ、


ぽろぽろ、


さっきよりも涙が止まらない。


「!」


ぴくりと動いたましろちゃんの腕に反応をして顔を上げる。


(もしかして、)


どこまでも自分の良い方向へと考えてしまうの。


パンっ、


という音と痛み。





「邪魔だ」


初めて向けられた冷たい声を聞くまでは。


「ぁ、」


まるで別人を見ているみたいで、背筋が冷えた。


手の甲の痛みなんて気にもならないくらい。


キョウさんに向けた視線や表情。それが今はあたしに向けられている。


闇を沈めた瞳は、これまでに会った人とは比べ物にならないもので。あたしはどこまでも楽観的にみていたんだと実感させられる。


もう、どうすることもできないの?


優しいこの子が、壊れていくのを黙って見てることしかできないの?


手の甲を抑えながらまた溢れそうになる涙を堪える。
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