私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
皐月くんの言っていたあの人ってこの人なのかなって期待しちゃう。


・・・思ったよりも脳天気な人が来たけど。


何故かその視線を振り払わないましろちゃんの様子にあたし達はただ黙って見守る。


ううん、言葉を失うのが合ってるかも。


この二人にある空気が、ただの知り合いでは無いことを伝えてくるから。


「限界だってことぐらい分かってただろーが」


頬杖をつく反対側の腕を伸ばすこの人。


何をするんだろうと見守っていると、


次の瞬間。


パァン!! って、屋上に響くくらい凄い音が鳴った。


「へ、」


で、デコピン!?


し、しかも今の音絶対凄い痛かったよ!?


「ちょっと何してくれてんの!?」


押さえつけられてるから額に触れることも出来ないましろちゃんに代わって奏くんが前髪を退ける。


「う、うわぁ・・・」


まだ赤いとかじゃなくてシューっていってるし!?


「・・・いてーよ」


凄い殺気なんだけど!?


この人悪化させてない!?


男の人はそんなましろちゃんを見て満足そうに笑う。


「どーどー、言い返す気力あんならもう大丈夫だな。世話のやける赤ちゃんは寝とけー」


「チッ、・・・うるさい」


吐き捨てるみたいに返した直後、ましろちゃんの身体からふっと力が抜ける。


「あ――」


崩れ落ちそうになったその身体を、男の人は慣れた様子で受け止めた。
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