私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
イツキさんが難無く受け止めたからいいけどまるで物のように扱うなんてっ。


「離れてろ」


朔夜くんの怒りがこもった声に驚くと同時に、お腹に誰かの腕が回されてこの場から離される。


「ごめんな。驚いたろ」


「う、ううん!大丈夫!」


龍二くんに隠されるようにして離された距離。向こうでは何が起きたのだろうと顔を覗かせる。


あたし達が居た場所には朔夜くんと赤髪の男の人だけが居る状態。


さっきと違うのは、二人は互いの拳を顔に受けたまま微動だにしていない点。


今の一瞬で同時に攻撃を入れたってこと?


それもまったく同じ判断をして。


置いてかれたままのあたしと微動だにしない二人。


どんな意図があったかなんて分からないけど、朔夜くんは無事だよね・・・?





ぐらり、


その背中が揺れたかと思えば、朔夜くんが膝から崩れるようにして倒れる。


「朔夜!」


「朔夜くん!」


片膝をついて俯く朔夜くんの傍に駆け寄る。


「朔夜大丈夫か!?」


「・・・ああ、構う必要はない」


そうは見えないよ!?


朔夜くんが喧嘩で膝をつく瞬間なんて初めて見る。


目の前にいるこの人はそれぐらい強い人ってことなの・・・?
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