私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「お、すぐ喋れるとはなァー?脳が揺れてる状態だろうに」


男の人は満足そうにほくそ笑む。


そ、それって大丈夫な状態なの!?朔夜くんも早く病院に連れて行かないといけないんじゃない!?


あたふたするあたしを他所に昴くんの手を借りて立ち上がる朔夜くん。


「一瞬であれだけ動けたのも感心感心」


瞬間、言葉に詰まる赤髪の人。


ぺッ、と口から何か吐き出した姿にぎょっとしていれば次第に開かれる瞳。


吊られて掌に視線を向ければ赤いものと一緒に転がる白い物体。


これって、歯・・・?


「っは、いい気になるのもそこまでにしとけ」


・・・朔夜くんすっごい意地悪な顔してる。


整理すると朔夜くんの攻撃で歯は抜けたことになるんだけど、そんな威力の攻撃を受けてまったく動かないどころか表情も変えなかったこの人はタフ過ぎない・・・?


「っは、ははははッ!イツキ!こいつら面白いなァ!」


「やめてよ恥ずかしい」


い、イツキさんって結構辛辣なんだな・・・。


「お前名前は?」


あ、気にしないんだ・・・。


いつもの事だったりするのかな。


「皇 朔夜」


「へー?あんた皇組の次男坊か」


「なぜそれを知っているのですか」


昴くんの鋭い言葉が向けられる。


それもそう、だと思う。


皇組は有名だけど、普通の人は名前を聞いただけで数秒も置かずに皇組とは結び付けないはず。
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