私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

14章.夏祭り

ガヤガヤと会場に近づくにつれて騒音や人の気配が大きくなる。


「今年も賑わってるな」


8月15日である今日。東で開催されるお盆祭りに私達は来ていた。





30を超える出店に多くの協賛による打ち上げ花火が醍醐味なのだとか。


過去に一度だけ来た事があるが途中で雨が降ってしまって中止になったからちゃんと参加するのは何気にはじめてだったりする。


「ゆうちゃん達浴衣似合ってんね」


「ほんと!?ありがとう!」


「どうも。あんた達もね」


どうせなら皆で浴衣を着ようと男女に別れて支度して会場であるここで合流した。もちろん私達には護衛をつけられた訳だけど。


浴衣だけではなく優里にヘアメイクもしてもらったから自分で言うのもなんだがいつもと雰囲気はだいぶ違うと思う。


優里は耳元にお団子を2つ作り可愛らしく、私は編み込みも混ぜたお団子で上げてもらって涼しくて快適な髪型にしてもらった。


ずっとましろちゃんの髪アレンジしてみたかったんだよね、と言ってたから先程からこの子はご満悦の様子である。


「・・・」


8月15日・・・。


私もこの空気で気が紛れればいいんだけど。
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