俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
憧れの目をしてすごい人だと木村が語っていたが、実際にこの建物に足を踏み入れて梨乃も同じ感想を持った。いったいここでなん千人の人が働いているのだろうか。一日にどれくらいのマネーが動くのかも想像できない。

平社員で入社してから数段抜かしで昇進の階段を駆け上がり、ここのCEOから日本法人のトップに推薦されるとは伝説級のアメリカンドリームだ。

「すごいですね……」

先ほどと同じ言葉を黒見の顔を見て呟いた。

「ビルの階数は日本とは比べものにならないが、ロビーは似たようなものだろ」

受け付けのカウンターに向かう黒見が、まだ規模の大きさに驚いているのかと言いたげな顔をしている。

黒見のビジネス人生に対しての感想だったのだが、彼自身にとっては驚くようなことではなくまだまだこれからだと思っていそうな気がした。

(中身までかっこいい人。でも雲の上、みたいな感じがするな……)

アポイントを伝えるとすぐに許可され、黒見はCEOの執務室へ向かうためにエレベーターホールへと爪先を向けた。

「またあとでな」

見学を申し込んでいる梨乃はここに残り、案内人が来るまで少し待つ。

別行動が少し心細いが、それよりも好奇心が勝りワクワクしていた。

受け付けカウンターの横にエスカレーターと階段があり、見上げれば五階ほどまでが吹き抜けになっている。

五分ほどして案内人がエスカレーターで降りてきた。

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