俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「ないです。どうしてそんな誤解が生じたんですか?」

「CEOに聞いたのよ。ミスター黒見が恋人と一緒に来るからよろしくって」

(ということは……)

黒見がこちらのCEOにそのように話していたということだろうか。

スコットに向ける笑みは崩していないが、内心では眉根を寄せたくなる気持ちでいた。

(絶対に私と恋人関係になれると思っているんだ。すごい自信。もしかするとこの出張中に落とせると思っているのかも)

そうはいくかと思い、そういう心境にさせた時点で失策だろう。

ビジネスの手腕と出世は伝説級であっても、恋の駆け引きはうまくないのかもしれないと感じた。

いくつかのフロアとミーティング室などを四十分ほどかけて案内してもらい、スコットにお礼を言って社屋を出た。

黒見はまだ仕事中で、ここからしばらくは別行動だ。ホテルにチェックインできるのは十五時からなので、それまで三時間ほどの自由時間である。

(どこへ行こう。楽しくなってきた)

まずは昼食を取ろうと考え、ひとり旅で食べたピザが頭に浮かんだ。

ニューヨークスタイルのピザは薄いパリッとした生地で、ワンカットを購入したら皿からはみ出すほどに大きかった。

サラミとチーズのピザが美味しかったのでまた食べたいと思い、適当に歩きながら営業中のカフェを探す。

こちらのカフェは食事になりそうなメニューを揃えている店が多い。

< 103 / 238 >

この作品をシェア

pagetop