俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「過去の遺物のように言われるのは心外だな。俺はこれからだ。伝説という評価は百年後にもらおうか」

「百年……」

生涯ビジネスの世界で闘い続けるという気概が伝わって目を見張ったが、つっこまずにはいられない。

「百三十六歳のCEOですか。たしかに伝説になれそうです。国からの表彰やご長寿番組のオファーもありそうですよね」

黒見が隣で肩を揺らしている。声を上げて笑う彼を見たのは二度目だ。

一度目はクリスマスイブのレストランで、あの時に意外に笑顔は可愛いと感じほんの少し親近感を覚えたのを思い出した。

(でもやっぱり雲の上の人だよ。伝説なんだもの。庶民で平凡の私とは違う人)

やはり彼と恋人にはなれない。前の恋愛で疲労した心が癒えてまた恋がしたくなったとしても、彼のパートナーになるのは無理だと思った。

(黒見CEOに似合うのは、才色兼備のお嬢様か凄腕の女性経営者かな。畑が違う私だとお互いを理解するだけで大変そうだし、もし交際したとしてもうまくいかない気がする)

案内人のスコットに恋人と勘違いされた話は報告しない。黒見の闘志を刺激してハンティングを始められると困るからだ。

宿泊先のホテルに到着してタクシーを降車した。

ここはひとり旅でも利用した高級ホテルで、あの時は新婚旅行で予約したので宿泊料金を抑えようとはしなかった。二度と宿泊することはないと思っていたのに不思議な気分だ。
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