俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
シュガーとミルクを少量入れたコーヒーを飲んで、気持ちを落ち着けてから言う。

「最初からそのように言ってくだされば、騙された気分にならずにすんだんですが」

「悪かった。だが説明していたら、自分で別の部屋を予約したんじゃないか?」

「そうですね……」

(なるほどって、どうして納得させられてるのよ)

軽い女だと思われたくないので、許していない顔をキープする。

「経費ではないとおっしゃいましたが、それでもふたりで同じ部屋に泊まったことが社内に広まる可能性はありませんか?」

「ない。宮内が誰かに言わない限りは」

「わかりました。私の寝室には入らないお約束をしていただけるのでしたら、私もこの部屋に泊まります」

平凡な自分が雲の上のイケメンになにを言っているのかとツッコミたい気分だが、大事な確認は省けない。

すると黒見が驚いたような顔をして、そのあとに嬉しそうに目を弓なりにした。

(そんな顔をされると……)

厳しい教師が授業中の自分の回答で微笑んでくれると妙に嬉しくなる。学生の頃のそんな気持ちを思い出していた。

もっと喜ばせてみたくなり、つい余計な許可も出してしまう。

「日付が変わるまではお話に付き合います。ラフにというのは無理ですけど、仕事だけじゃなくプライベートの話もしましょう」

「ありがとう。楽しみだ」

ものすごく優しい目をして微笑まれ、鼓動が急加速した。
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