俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
大型のエア遊具にマジックショー、ミニコンサート、ドローンの操縦体験、フードフェスのように屋台も連なっている。もちろん保険勧誘に繋がる相談コーナーもある。

梨乃も黒見も仕事用のスーツ姿なので少々浮いていた。時々家族連れに何者かというような視線を向けられつつ会場内を端から見て回る。

「あっちにスクリーンがありますね。アニメ上映でしょうか?」

右奥の椅子の並んだ方を指さすと、黒見が教えてくれる。

「ああ。毎年内容はほぼ同じで子供向けのマネー講座だ。子供が理解できるようにアニメにしている。ウェブ版もあるから気になるならあとで検索するといい」

あとでと言われたが携帯を出してすぐにウェブ版を調べた。

それをしっかりと保存し、そのあとも貪欲に歩き回って黒見に質問を重ねた。

一時間ほど過ぎたところで黒見がクスッとする。

「元気そうだな」

「どなたのことですか?」

知り合いがいたのかと思ったが違うようだ。

「お前のことだ。二日酔いを心配していたんだが」

黒見が気を利かせて薬を用意してくれていたが、目覚めはスッキリでまったく体調に問題はない。

「グラスに半分入れたワインを二杯しか飲みませんでしたよ。それくらいで二日酔いになるほど弱くは――」

「それくらいで酔い潰れたやつがなにを言う」

呆れ顔をされて思わず首をすくめた。

「昨夜はご迷惑をおかけしてすみませんでした……」
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