俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
その時、梨乃のすぐ横を両手に大量の屋台フードを抱えた家族連れが通り過ぎた。
黒見が引き寄せてくれなかったら、ケチャップがたっぷりかかったホットドッグが梨乃のオフィススーツを掠めていたかもしれない。
腰から彼の手はすでに離れている。守ってくれたのだと理解したが、誠実さを疑ったのが伝わってしまったあとだった。
「信じていないじゃないか」
「黒見CEOがあんな言い方するから――」
反論してから口調が崩れているのに気づいて慌てる。
「す、すみません」
「謝るな。嬉しいから」
距離が縮まったと思っているのか、笑みを浮かべた彼に鼓動が高まった。
(平凡な私と雲の上の人なのに……)
頬が勝手に熱くなるので困り、視察の話に戻そうとする。
「ファイナンシャルプランナーの相談コーナーを見たいです――」
その時、少し離れた場所から黒見を呼ぶ声がした。
振り向くとスタッフらしき服装の中年男性が片手を上げていた。黒見を知っているということは、外注先のイベントスタッフではなくクライフの社員なのだろう。
「こっちで勤めていた時の上司だ。挨拶してくるから、宮内は好きな場所を見ていてくれ。お前を見つけられなかったら携帯に連絡する」
「わかりました」
黒見から離れた梨乃は相談コーナーを目指して先に進む。
黒見が引き寄せてくれなかったら、ケチャップがたっぷりかかったホットドッグが梨乃のオフィススーツを掠めていたかもしれない。
腰から彼の手はすでに離れている。守ってくれたのだと理解したが、誠実さを疑ったのが伝わってしまったあとだった。
「信じていないじゃないか」
「黒見CEOがあんな言い方するから――」
反論してから口調が崩れているのに気づいて慌てる。
「す、すみません」
「謝るな。嬉しいから」
距離が縮まったと思っているのか、笑みを浮かべた彼に鼓動が高まった。
(平凡な私と雲の上の人なのに……)
頬が勝手に熱くなるので困り、視察の話に戻そうとする。
「ファイナンシャルプランナーの相談コーナーを見たいです――」
その時、少し離れた場所から黒見を呼ぶ声がした。
振り向くとスタッフらしき服装の中年男性が片手を上げていた。黒見を知っているということは、外注先のイベントスタッフではなくクライフの社員なのだろう。
「こっちで勤めていた時の上司だ。挨拶してくるから、宮内は好きな場所を見ていてくれ。お前を見つけられなかったら携帯に連絡する」
「わかりました」
黒見から離れた梨乃は相談コーナーを目指して先に進む。