俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
その途中で今度は梨乃に声がかけられる。昨日、クライフビルの見学でお世話になったスコットだ。

プロジェクトメンバーだと聞いていたのでいるとは思っていたが、広い会場内で会えるとは思っていなかった。嬉しく思い笑顔で握手を交わす。

「昨日はありがとうございました。ニューイヤーイベント、盛り上がっていますね。勉強させてもらっています」

「参考になるものが見つかるといいわね。ところでミスター黒見とは別行動なの?」

「ついさっきまで一緒でしたが、今は元上司の方と話しています」

黒見のいる方向を指さした。人が行き交う合間に黒見と話し相手の男性が小さく見える。

手をかざすようにして遠くを探していたスコットもようやく見つけたようだ。

「彼はシニアマネージングディレクターのギブソンよ。スタッフジャンパーを着てくれて気さくな人柄だけど、社内では一応偉い人なの」

(常務、あたりかな?)

こちらの肩書はよくわからないが、黒見の背中を叩いて笑って会話ができるほど対等な関係であることは理解した。

スコットが「あら?」となにかに気づいたようだ。

急に眉根を寄せた彼女に戸惑っていると、耳打ちされる。

「ほら見て。娘のキャサリン・ギブソンよ。彼女もクライフの社員なの」

黒見の方を見ると、たしかに女性がひとり会話に加わっていた。

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