俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
もう少し身長が高くてスタイルも顔もいい人なら大人っぽくエレガントに見えると思うが、やはり梨乃には着こなせなかった。

(そりゃそうだよ。シンデレラのようにはいかない。現実だもの)

黒見の魔法を信じたのが間違いだったと思っていると、ドアの向こうから「いかがでしょう?」と女性スタッフに声をかけられた。

見せれば似合わないのがわかってもらえると思い、解錠してドアを開けた。

すると女性スタッフの横に黒見が立っていて、思わず肩を揺らした。

(穴があったら入りたい……)

「まぁ、よくお似合いです」

「いやいやいや、嘘はやめましょうよ」

通じないのを承知で日本語で返し、苦笑して黒見を見た。

「ご覧の通りの結果です」

彼の視線が梨乃の全身を一往復する。真顔で腕組みをしているが、内心では吹き出しそうなのを堪えているのではないだろうか。

感想はなく、「待ってろ」と言って踵を返した彼が店内を回ってすぐに戻ってきた。

銀色のハイヒールのパンプスとセレブ感漂う毛皮のコート、エレガントなクラッチバッグを持っていて、身につけるよう言われた。

「えっ、でも――」

「すまないが、ゆっくり選んでいる時間がない」

「わかりました」

ただでさえ似合わないのに、さらに高級な付属品をつけ足すのかと思いつつも言われるがままにする。すると背が高くなった分、すこしは見栄えがする気がした。

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