俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
(だって雲の上の人だもの。身の丈に合わない恋愛は絶対に疲れる。ただでさえ婚約破棄の疲労が残っている状態なのに。若くもないし、そんなエネルギーないから。味覚が違う人と一緒にご飯を食べても楽しめないでしょ。恋愛も同じ。自分と同じ感覚の人じゃないと無理だよ)

梨乃が眉尻を下げている理由を、いくら黒見でも見抜けなかったようだ。「大丈夫だ」ともう一度励ましてくれてから、会場内に視線を巡らせている。

「主催者の周りは混んでいるからあとにしよう。まずは赤いネクタイのあの男性からだ。彼はクライフ社が提携している――」

事前情報に真剣に耳を傾けていたが、黒見に声がかけられた。

「ショーゴ、また会ったわね。やっぱり私たち、縁があるのかしら?」

黒見の前に立ったのは金のパーティードレスを着た三十歳くらいの女性で、梨乃はハッとした。

(キャサリン・ギブソンさんだ)

ニューイヤーイベントで黒見と話していた元上司の娘である。

遠目でも美人な雰囲気を感じたが、対面するとハリウッド女優を思わせるようなとびきりの美女だった。長いブロンドヘアと大きな青い瞳が美しく、ハイヒールを履いている彼女の目線は長身の黒見と同じくらいだ。

スレンダーなのに豊満なバストで、女性の梨乃でもビスチェの胸元に目がいってしまう。彼女の雰囲気をひと言で表すならゴージャスだ。

< 137 / 238 >

この作品をシェア

pagetop