俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
(ハイブランド品で武装していても、この人には太刀打ちできない)

闘う必要はないが、一瞬にして負けを悟った。

迫力のある目でチラッと見られて肩を揺らす。自己紹介すべきタイミングかと思ったが、彼女の視線は黒見に戻り笑顔で話し続けている。

梨乃にはまるで興味がないと言いたげな態度に少々傷ついていると、黒見の大きな手が背中に触れた。堂々としてろと言われた気がして背筋が伸びる。

「待ってくれ。話の前に紹介しよう。彼女はリノ・ミヤウチ。弊社の社員で俺の恋人だ」

目を丸くして黒見を見たが、視線は合わない。

(彼女は復縁を望んでいるんだよね。恋人がいるから諦めろと言いたいの?)

嘘をついた理由を察したが、その作戦がうまくいくとは思えなかった。

ハイブランド品で武装しても中身は平凡な日本人女性だ。体形に恵まれたこちらの国のゴージャス美女相手に勝てるものがあるのか疑問である。

(逆効果じゃない?)

案の定と言うべきか、すぐに驚きの表情を消した彼女が強気に微笑んだ。

「冗談がうまくなったのね」

「どのあたりが冗談だと思うんだ? 梨乃は俺にとって最高のパートナーだ」

名前で呼ばれて鼓動が跳ねた。

(どうしよう。話を合わせて恋人のふりをする……?)

迷っているうちに否定するタイミングを失ってしまった。

「ずいぶんと趣味が変わったのね」

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