俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
黒見からのメッセージで、急いでアプリを開く。
【今、昼休みだよな。なにしてる?】
【鯖の味噌煮定食を食べています。そちらは真夜中ですよね? 休まなくていいんですか?】
【寝ようとしていたところだ。俺もそろそろ和食が恋しい。帰国したら和食屋につき合ってくれ】
【はい。喜んで】
(あっ、〝喜んで〟は余計だったかも)
正直な気持ちだが、惹かれ始めていると思われたら困る。
彼のターンだが、どういう意味で喜んでいるのかとつっこまれる前にメッセージを重ねた。
【もう部署に戻ります。おやすみなさい】
携帯を閉じて深呼吸をする。
(よく考えると、喜んでって普通に使うよね。そんなに焦らなくてよかったかも。なんか、こういう反省をするのは懐かしい)
誰かとの会話で、自分の発言をむやみやたらと振り返った経験は何度かある。
あんなふうに言わなければよかった、もっと別の言い方にすればよかったと焦ったり、あとからひとり反省会を開いたりした時の相手はすべて好きな人だった。
(もしかして私、恋の扉を開いちゃってる……?)
頭をブンブンと横に振ってから、胸に灯る小さな炎を消そうとコップの水を一気に飲む。
(まだ大丈夫。少し開いただけで、もう閉めたから。同じ部署なのに、宇津木さんと働きにくくなるのは困るでしょ)
恋のストッパーとして活躍してくれる彼女に今だけは感謝した。