俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
フッと色っぽい笑みを向けられて鼓動が跳ねた。

(こんな時に攻めてこないでよ……)

顔が勝手に熱くなって困っていたが、スッと色気を消した黒見が眉間に皺を寄せた。

「それにしても、業務を妨害された時点でなぜ俺に相談しなかった?」

不満げな口調なのは相談されたかったからなのか。

「自分で解決できると思ったんです。結果としては、あのままふたりで話していてもうまくいかなかったと思いますけど、いい方に変えられると最初は考えていました。黒見CEOに相談しようという考え自体、浮かばなくて――」

話しながら今まで気づかなかった自分の気持ちが見えてきた。

(私、黒見CEOを頼りたくないんだ)

ゴージャス美女に立ち向かったあとの黒見の言葉を思い出していた。

『まさか守られると思わなかった。勇ましいな。お前は時々俺の予想を超えてくる。――ますます惚れた。どうすればお前が手に入る?』

(あの時、嬉しかったんだよ。頼もしい女だと思われていたい。だって、守ってもらうような弱い女は好みじゃないでしょ?)

交際の求めを何度も断っておきながら、黒見に好かれていたいと思う自分がいることに気づいて愕然とした。

恋心に繋がる扉がゆっくりと開いた音がする。

(好きになってしまったんだ……)

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