俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「頼むからやめてくれ。現時点で俺は彼女に信用されていない。それが問題なんだ。自分で考え自分でアプローチしないと、信用は得られない」
(いや、強引にアプローチしたのがマズかったんだ。少し連絡を控えるか)
「わかった。情報操作はしない」
五ノ森が約束してくれたのでホッと息をついた。
「明日は経済連の新年会だ。忘れるなよ」
「お前にも信用されていないのか?」
「友人として心配しているんだ。珍しく、心ここにあらずな顔をしているからな。ビジネス界で高みに上るだけじゃなく、普通の幸せも手に入れろよ。心のバランスを取らないと、いつか疲れて飛べなくなるぞ」
言いたい放題の友人は、「お先に」と片手を上げて執務室を出ていった。
ひとりになった黒見は後頭部で手を組み、天井のダウンライトをぼんやりと眺める。
(普通の幸せとはなんだ? 温かい家庭のことか? 知らずに育った俺にはよくわからないな)
いつか飛べなくなると言われた理由はわかる。
子供の頃からずっと休まずに全力で飛び続けてきて、羽根はかなり傷んでいた。
ここが勝負だと思うような重要な取引の前夜は、海に墜落する悪夢を見ることもある。
そうなる前に羽根を休められる相手が必要だと思っていた。
* * *
一月が終わろうとしていた。一時間ほど残業をして今日の業務を終えた梨乃は、富樫のもとへ行く。
(いや、強引にアプローチしたのがマズかったんだ。少し連絡を控えるか)
「わかった。情報操作はしない」
五ノ森が約束してくれたのでホッと息をついた。
「明日は経済連の新年会だ。忘れるなよ」
「お前にも信用されていないのか?」
「友人として心配しているんだ。珍しく、心ここにあらずな顔をしているからな。ビジネス界で高みに上るだけじゃなく、普通の幸せも手に入れろよ。心のバランスを取らないと、いつか疲れて飛べなくなるぞ」
言いたい放題の友人は、「お先に」と片手を上げて執務室を出ていった。
ひとりになった黒見は後頭部で手を組み、天井のダウンライトをぼんやりと眺める。
(普通の幸せとはなんだ? 温かい家庭のことか? 知らずに育った俺にはよくわからないな)
いつか飛べなくなると言われた理由はわかる。
子供の頃からずっと休まずに全力で飛び続けてきて、羽根はかなり傷んでいた。
ここが勝負だと思うような重要な取引の前夜は、海に墜落する悪夢を見ることもある。
そうなる前に羽根を休められる相手が必要だと思っていた。
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一月が終わろうとしていた。一時間ほど残業をして今日の業務を終えた梨乃は、富樫のもとへ行く。