俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「なにかお手伝いできることはありませんか?」

「自分の仕事が終わったら帰っていいよ。宮内さんにはただでさえ多めに業務を割り振っているのに、これ以上は頼めないよ」

そうは言われても残業中の社員が十人ほどいる中で帰りにくい。

宇津木が事業部に異動したのは十日ほど前になる。来週には補充されるそうだが今は欠員状態で、宇津木はチームリーダーができる貴重な戦力だったため穴を埋めるのは大変だ。

(部署のみんなに迷惑をかけてしまった)

自責の念が顔に出てしまっていたようで富樫に気づかれる。

「宮内さんに落ち度はないから。早く気づいて対応できなかった私が悪い。今日は帰って週末はしっかり休んでね」

「お気遣いありがとうございます。お先に失礼します」

残業中の他の社員にも声をかけたが、どの人もにこやかに「おつかれさまでした」と返してくれた。

(その笑顔が本心だといいけど)

黒見の直々の指示で宇津木に処分がくだされた話は部署内に広まっている。

一時、梨乃が黒見の恋人ではないかと噂されたため、異動という処分には恋愛事情も絡んでいると思った人もいそうな気がする。

けれども美波の情報によると、恋人関係は誤りだったという噂がそのあとに流れたらしい。

それも源流は謎の財務部社員、市原のようで、仕事にかこつけて会ってみたかったのだが残念ながらまだ実現していない。

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