俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
ここは『クライフ・ジャパン』という保険会社だ。
アメリカで個人向け保険会社としては最大手の『クライフ』の日本法人で、生命保険と自動車保険、住宅保険や個人年金、その他金融サービスを広く提供している。
本社は東京と神戸の二か所にあってそれぞれに大きな自社ビルを構え、営業店舗を含めた総従業員数は一万人近い。
昨年の国内保険会社の年商でトップを取った大企業である。
その東京本社の五階の廊下を梨乃は歩いている。
ニューヨークへひとり旅をしたのは先月の中頃のことだ。
帰国してすぐに就職活動を始め大手企業は無理だろうと思いつつもこの会社の採用試験を受けたのだが、前職も割と有名な保険会社だったので即戦力を期待されて採用された。
配属部署も前職と同じマーケティング部なので、最高の再就職先だと思っている。
(頑張ろう。当分の間、恋はいらない。仕事一筋で生きていく)
婚約破棄されたのが遠い過去のように、今はもうすっかり元気だ。
自分でも驚くほどに吹っ切れたのは、バーラウンジで出会った彼のおかげだろう。
(失礼なこともたくさん言われたけど、励ましの言葉には感謝してる。プライドは高く、自分の価値を信じないと。私なんて、とはもう言わないよ)
着ているパンツタイプのツーピースは新しいものだ。結構な値段がしたけれど、自分に似合うはずだと信じて購入した。