俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
高級オフィススーツに恥じない仕事をするつもりで気合を入れている。

とはいっても勤め始めてまだ三日目なので、今週は同僚について回り基本的な仕事を覚えることになっていた。

隣を歩いているのは木村という入社五年目の男性社員で、二歳年下である。

サラサラな髪質の小柄で真面目な彼は、教え方が丁寧でありがたい。

「そちらが商品サポートデスクの入口で、こちらがこれから使うミーティング室です」

十五階建ての自社ビルに百ほどの部署が入っているそうだ。

それらの配置や会議室の場所を覚えるのは大変そうな気がした。

「こちらのミーティング室は社員だけでなく、広告代理店の方との打ち合わせでもよく使いますので覚えておいてください。明後日、その打ち合わせもスケジューリングされています」

「はい。木村さんの説明はわかりやすいですね。教えてくれる方が木村さんでよかったと思っています。おかげで、なんとかやっていけそうな気がしています」

お世辞ではなく本心だ。

「いえ、僕は自分がやっている業務を説明しただけで……」

ドアノブに手をかけている彼が耳まで赤くなった。どうやら照れ屋らしい。

(失礼な言い方かもしれないけど、可愛い。弟にしたいタイプだわ)

梨乃は三人兄弟の真ん中で、梨乃とは二歳離れた兄と弟がいる。

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